実質手取りは減る

トヨタ、初任給据え置きへ 2年連続」

3月9日7時56分配信 産経新聞
 トヨタ自動車が4月に入社する新入社員の初任給を据え置く方針を固めたことが8日、分かった。据え置きは昨年から2年連続となる。世界規模の大量リコール(回収・無償修理)が販売や業績に悪影響を与える恐れが強まるとともに、「企業努力が及ばない社会保障労務費負担が増加する深刻な状況にある」(トヨタ幹部)ためという。自動車最大手の方針は、産業界全体の新入社員の初任給設定にも影響を与えそうだ。

 トヨタの新入社員の初任給は毎年3月中旬に決まり、平成21年4月入社の新入社員(大卒の事務職・技術職)の初任給は20万3千円。前年の世界同時不況による自動車販売の急減で、4年ぶりに据え置いた。

 17年4月入社の初任給は20万円で、当時の自動車の世界的増産を背景に、それ以後は毎年千円ずつ引き上げられていた。トヨタが初任給を引き上げた18〜20年はいずれも春闘交渉で組合側によるベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分の要求を受け入れており、初任給の設定はベアの回答と連動させる傾向がある。

 トヨタ労使の22年春闘交渉では組合側がベアの要求を断念。一時金については「基準内賃金5カ月プラス10万円(組合員平均184万円)」を要求しているが、会社側は満額での回答を見送る方針を固めている。

記事にもあるが、会社側は「企業努力が及ばない社会保障労務費負担が増加する深刻な状況にある」ということを理由に挙げている。

たしかに社会保険関係の会社負担分はどう企業努力をしても固定的にかかる部分であり減らすことは出来ない。

だが、この社会保障に関するものは従業員も会社と折半で負担するものである。

そこで、初任給が2年連続で据え置かれるということは新卒社員の総支給額は変わらないが、その間保険料率などは上がっていて控除される金額は増えているので手取り額は減ることになる。

新卒に限らず、よくテレビなどを見て「うちは給料の支給額は減っていないから大丈夫。」などと考えていたとすれば、それは大丈夫ではない。

これからも社会保障関係など控除されるものの料率は上がっている中で、給料の支給額が変わらないということは上記の新卒と同じで実質の手取り年収はマイナスとなり、実施年収は減っているのである。