お疲れ様駒苫野球部




夢の3連覇はなりませんでした。でも、限りなく3連覇に近い準優勝だったと思います。
私は、正直「残念だったね。でも良くがんばったよ。」というような慰めは好きでは
ありません。当事者からすれば充分頑張っている。悔しいのは人一倍。
だったら素直に喜んであげるのが良いのではないかと感じています。ですが、今回は
違います。表面上は夏2連覇をし、国体、神宮大会に優勝し春センバツ優勝候補とまで
言われ華々しいものに感じられますが、去年の夏優勝後、部長の暴力行為で2連覇剥奪を
囁かれ、今年春には「春夏連覇」を狙っている矢先に今度は引退した3年生の飲酒喫煙事件。
この事件で春センバツの出場辞退と香田監督の辞任。どの事件も現役選手には関係の無い
ことでのこと。誰に怒りをぶつけて良いのかもわからない状況。普通ならチームは
バラバラになるところです。16〜17歳の青年たちにはきつすぎます。駒苫野球部も
例外なく分裂の危機をむかえたといいます。

奥山君は「選抜辞退より、香田監督がいなくなったことの方が大きかった。
野球をやっている意味があるのかとさえ思った。」と言う。

山口選手は友人に「出られへんかった。監督もいなくなる。もう野球をやっている意味が
ない」。と言い、いつも冗談ばかり言っている山口選手が泣いていた。といいます。

香田監督自身も、体重が連覇の時より14キロ減り、「球拾いでもいいから」と、
全国の仲間を訪ね歩いた。先輩が指導する高校でノックバットを振ったそうです。


それでも、当時のキャプテン田中君、本間君を中心に何度もミーティングを繰り返し、
部員1人も辞めることも無く、チームは纏まったそうです。
そんな状況でも世間から「史上2校目の夏3連覇」、「打倒世代最強エース田中のいる
駒大苫小牧」という全国から目標にされるというプレッシャーを受け続ける中での挑戦。
普通ならプレッシャーに負け、甲子園にすら出られないとか、出られたとしても初戦敗退
ということだってありえると思うんです。そうしたことを考えた時に、
エースが脱水症状を起こしながらの初戦を勝ち、青森山田戦での奇跡の大逆転サヨナラ、
東洋大姫路戦での逆転勝ち、智弁和歌山戦でのエースの復活、決勝進出。
この時点ですごいことだと思います。そして、20日の決勝戦延長15回の激闘。
さらには、今日再試合での9回表の1点差まで追い上げるあの強さ。
トータルで言えば2006年の最強チームだと思います。
本当に胸を張って帰ってきて欲しい。それだけです。
自分は幸せです。北海道のチームが全国で注目され、歴史的快進撃をし、
甲子園のニュースでも大々的に取り上げられる。その時代に一緒にいられたことを。
不況で明るいニュースの無い北海道で老若男女問わず道民全体が固唾を呑んで1つになり
応援することが出来ました。北海道の誇りです。
初優勝の時は「雪国の北海道からのチームを応援したい」ということで多くの人が
応援してくれました。そして2連覇の時も目指せ2連覇で応援を。そして今回。
全国的には明らかに、「挑戦者早実」「偉大な先輩王監督、荒木さんがいる早実」が
応援されてました。全国版のスポーツ新聞も、スポーツニュースも、そして試合を
放送している解説も早実側のような感じがしました。正直腹が立ちましたが、
今考えると、それだけ駒苫が強豪校として全国の野球ファンから認められたんだと感じ
ました。これってすごく嬉しいこと。いつも甲子園に出ても「どうせ初戦で負けるんで
しょ・・・」と思い込んでいたことがウソのようです。3連覇はなりませんでしたが、
3優勝です。すばらしいじゃないですか。良い夏をありがとうと言いたいです。
香田監督が一番苦労していたんだと思います。14キロも痩せ、胃潰瘍の疑いがある
ということで、日米親善高校野球で渡米する全日本高校選抜チームのコーチを辞退する
そうです。それだけ心労があったんだと思います。香田監督お疲れ様です。
試合後思わず泣いてしまいました。
この後は国体2連覇、神宮大会2連覇を成し遂げ、来年は春優勝。夏も4年連続決勝進出し
深紅の優勝旗を再び北の大地北海道に取り戻してほしいです。


ちなみに田中君はドラフトでプロへの道へ進むと思いますが、巨人にだけは行ってほしく
ないですね。あそこに行ってはしまっては潰れてしまいます。
もちろん私の希望は日ハムです。八木、ダル、田中という投手陣をみたいです。