困惑するランキング

サッカーのW杯が日本でも騒がれるようになって12年(ドーハの悲劇ぐらいから)。
フランス大会で初出場し、その後の日韓共催大会では、開催国として盛り上がった。
そして2006年の今年。その間日本でもW杯出場のためにサッカーがプロ化されたりして、
サッカー自体の注目度も上がっていきました。自分が子供の頃なんて、話題にすら
ならなかったですよ。自分はサッカーをしていたので、見ていましたけど。
注目度が上がるに連れてニュース、新聞などでもサッカーに話題が多くなっていきます。
そして、サッカーは何よりもW杯に代表されるように国と国の戦い、国際大会が頻繁に
あります。そこで、頻繁に取り上げられるのが「FIFAランキング」。簡単に言えば、
FIFAに加盟している国のレベルをランク付けしているもの。まぁ、個人競技には良く
ありますよね。世界ランキングという形で。1993年から始まったものです。
ただ、このランキング正確か?と言われると「NO」といわざる終えないんですね。
というのも、常に全チームが集まって試合をするわけではないんです。親善試合もあれば、
地域特有の大会もある。そうなると、単純に順位が付けられるものではない。
最近特に疑問を持つ人が多いですよね。サッカーに詳しければ、ランキングなどは
気にしないんですよね。ランキングを元に強さを予測しないですから。
じゃあ何で?と言われると選手です。国の試合が行われる前に、選手は色々な国の
クラブチームに所属しています。そこで活躍する選手が各国の代表に必然的に選ばれます。
そうなると、今のこの国は、「○○と××がいるから強いだろう」とか、
「□□は調子悪いから期待できないなぁ」とか。そこで判断していくんです。
でも、何でもそうですが、流行ればそんなに詳しくない人も興味を持つようになります。
そうなると、各国の代表選手がどこのリーグで活躍していてとかなんてあんまり
わからないですよね。ですから、マスコミはサッカーのトップの機関が発表している、
ランキングを目安として使うようになります。
でも、このランキングははっきり言って正しくない。始めはそんなに気にならなかった
ものが、ある程度ファンも分かるようになってきたときに、「なぜこの国があの国よりも
ランキングがしたなの?」とか、実際に試合をしてみると、ランキングが上のチームが、
大敗してみたりという奇妙な現象が気になるようになるんですね。
そもそもサッカーでランク付けするのが難しいんです。若い選手が彗星のごとく現れて、
活躍しその時期だけ強いこともあれば、ある時期中心選手が調子を落としていたり、
怪我をしていたりして勝てない時もあるので。なので、私は「FIFAランキングは、
参考になる部分もありますけど、当てにならない」と思っています。
と言ってしまうと、どうしようもないので、とりあえずFIFAランキングの大まかな
算出方法を書きます。以下の細かい計算が行われます。

① 勝ち点ポイント
勝ち、又は引き分けの場合対戦相手ランクにより1〜30ポイントを与えます。強い相手に勝ったときにはより多くのポイントがもらえます。

② 得点ポイント
得点がポイントにプラスされ、失点はポイントからマイナスされます。得点ポイントは①の勝ち点ポイントを超えることはありません。

③ ホーム又はアウェイゲーム
アウェイチームには無条件で3ポイントを与えます。中立地及びワールドカップの本選の場合はたとえ相手が開催国でもアウェイポイントはもらえません。

④ 試合のステータス
親善試合(Friendly match) x1.00
陸別大会予選(Continental championship preliminary) x1.50
陸別大会本選(Continental championship finals match) x1.75
FIFAコンフェデレーションカップ(Confederations Cup match) x1.75
ワールドカップ地区予選(World Cup preliminary match) x1.50
ワールドカップ本選(World Cup finals match) x2.00

試合の重要度に応じて右側の数字を①〜③のポイント合計に掛け合わせます。

⑤ 所属地域別調整
南米地区(CONMEBOL) x1.00
ヨーロッパ地区(UEFA) x1.00
アジア地区(AFC) x0.95
北中米カリブ地区(CONCACAF) x0.95
アフリカ地区(CAF) x0.93
オセアニア地区(OFC) x0.93

陸別の実力に基づいてここまでのポイントに上記係数を掛けます。


⑥ 試合数調整
対戦相手を選んでたくさんの試合を行ったチームも、この試合数調整で7試合までしかベースとしてカウントされません。年間のベスト7試合のポイントを合計し、全ての年間試合で得たポイントの平均x7を加算したポイントに1/2を掛けたものを純粋な年間ポイントとします。

⑦ 過去の年間獲得ポイント
FIFAランキングは過去8年のデータを分析して合計ポイントを算出しますが、その中でもっとも近い12ヶ月のデータは8/8倍(=100%)、その前の年は7/8倍、さらにその前の年は6/8倍・・・とポイントの価値を減額し8年前のポイントは1/8倍となります。

⑧ 表彰ポイント
「チームオブザイヤー」及び「最大飛躍チーム(Best Mover of the year)」はそれぞれが表彰されるとともにランキングポイントも付加されます。「最大飛躍チーム」はその年の最後のポイントと、その年に獲得したポイントを掛け合わせて一番大きいポイントを持つチームが受賞します。

よくわからんですね。私も今回調べるまでココまで細かいとは思いませんでした。
簡単に言えば、多くの試合をして勝てば順位が上がる、負ければ下がる。
試合をしなければそのまま。ということでしょう。その中で、得点を多く取れば、
付加価値が付くとか、試合のステータス(試合の種類)にも付加価値が付くなど。


そこで問題になるのは、地域によってレベルの差があるということ、そしてW杯の開催国が
予選を行わないことですね。地域によってレベルの差がある問題は、⑤のところで
考慮しているのでしょうけれども、正直あれぐらいでは変わらないと思います。
今回でいえば、18位の日本が23位のクロアチアに苦戦したことを例に取れば、
日本は基本的にアジア地域で試合を行います。アジアカップであれば、5点、6点は
当たり前というチームともたくさん試合をします。となると、試合にも勝ちますし、
得点による付加価値もプラスされてFIFAランキングのポイントは加算されていきます。
しかし、一方のクロアチアはどうでしょう?ヨーロッパで試合をします。
ヨーロッパは、各国のリーグともにレベルが高く、それに伴って、各国のレベルも高く
なります。そうすると、1次リーグと呼ばれるものでも、接戦が当たり前ですし、
勝つのも難しい。そうなると、FIFAランキングのポイントは思うように上がりません。
そうなると、どちらが上に行くかというと日本が上にいきますよね。
ですから、私は日本は18位ですが、仮に日本が今のレベルでヨーロッパに国があったと
したら、ランキングはもっと下であろうと思っています。
逆に言えば、日本よりもランキングが低いヨーロッパの国であってもアジア圏で試合を
していれば、ランキングは日本より上になるということです。
こういう現象が、いろんな国のところで起きています。そして、もう1つの問題は、
今回で言えば、ドイツが日本よりもランキングが下であること。
これは、ドイツは今回W杯の開催国で地区予選を免除されていました。地区予選がないと
いうことは、試合数が格段に減ります。そうなると、ポイントが加算されないわけです
から、抜かれて順位が下がることがあっても、上がることはない。こういうことから、
実力的にはもっと上であろうはずのドイツが19位という低いところにいるんですね。
物凄く簡単に書きましたが、こういうことで実力がFIFAランキング通りにいかないという
部分があります。
でも、仕方ないですよね。毎月全加盟国がいっせいに同じ条件で大会を行うわけには
行かないですし。そうなると何かしらの形で、ポイントを与えて順位付けしていかないと
いけない。一番良いのは、ファンがそれぞれ情報を集めて、自分なりに順位を決める
ということなのではないでしょうか?それがまた面白いでしょうし、その予想もなかなか
思った通りには行かない。そういう楽しみ方もありだと思います。
簡易的に書いたので、あまり突っ込まないでくださいね。