昇る梯子(のぼるはしご)

君が、悩んだり、落ち込んだりするたび、君の前には、壁ができる。
たいてい、それは、乗り越えるには高すぎて、
その壁を避けて迂回するのは長すぎる。
仕方なく、君は、しゃがみ込み、ため息をつく。
「最悪」
そんな時、君は誰を恨むだろう?
サディストな神様?
頼んでもいないのに生んでくれた両親?
言葉だけで手を貸してくれない友達?
思い通りにならない恋人?
あちこちに悪態をつきながら、吐いたツバはやがて、
自分に帰ってくる。
「自己嫌悪」
ちょっと、待って。
そんな狭い世界に閉じ篭って、一人で何をぶつぶつ言ってるの?
君の前の壁に、独り言を言っていても、何も始まらない。
残念ながら、呪文で、岩の扉が開くような奇跡は起きないんだ。
だから、僕は、君に梯子を用意した。
昇ってみるかい?
梯子の一段に足を掛けただけでも、
さっきまでとは違う世界が見えて来るはずだ。
きっと君は変われるさ。